4月25日[さいたま芸術劇場中練習室]東日本支部が総会を開催。セミナー「異なる音楽記録媒体による音源試聴会」を併催、講師は日本レコーディングエンジニア協会理事の小林悟。
「異なる音楽記録媒体による音源試聴会」に参加して
4月25日の東日本支部定時社員総会の後に、同じ会場(さいたま芸術劇場中練習室)にて行われた、異なる音楽記録媒体による音源試聴会に参加しました。
講師は特定非営利活動法人 日本レコーディングエンジニア協会理事の小林悟氏で、学生時代よりレコード会社の録音に携わってこられたベテランのエンジニアでした。
講師が持ってこられた古いSP盤やEdison印の蝋管(のケース)、Victor製の蓄音機など珍しいものばかりで、参加者は講師が準備をしているのに関わらず、早くも質問攻め&撮影会という状況でした。
同じ録音で商品化されているCDとレコードの聞き比べや、片面5分しか録音できなかったSP盤などの試聴も良かったのですが、個人的には電気的な増幅をしていない蓄音機の音の大きさと、レコード会社のサンプルと思われるメタルカセットテープの音質の良さに驚きました。
特にメタルカセットテープの音質に関してはアナログ録音でも十分に現在でも通用するのでは?と参加者からの声がありました。
講師のレコーディングに関する機材の知識や経験、歴史の説明も非常に分かりやすく、具体的な作品の裏話なども楽しかったです。
今回は96KHz録音の音源が機材トラブルで聞くことが出来なかったのも踏まえ、改めてこのイベントをもう一度開催したいと感じました。
東日本支部副支部長 網野岳俊
5月8日[金沢21世紀美術館・シアター21]北陸支部は総会を開催し、総会後にイマーシブ オーディオ ワークショップを株式会社ヤマハミュージックジャパンとヤマハサウンドシステム株式会社の協力で実施した。講師は兼子 紳一郎 (ヤマハサウンドシステム株式会社)と石橋 健児 (株式会社ヤマハミュージックジャパン)、演奏はジドレ(ヴァイオリニスト)
■実施報告
今回のワークショップではイマーシブな(没入感のある)音響空間を創るシステムを体感する内容となりました。
システムにはヤマハのAFCが用いられ、会場のステージ上部、客席天井、客席周囲にスピーカやマイクが多く設置されました。
前半の音場支援システム(AFC Enhance)の体感では、比較的残響時間が短い今回の会場ですが、システムをONにすることで、ヴァイオリンの音が違和感なくコンサートホールの様に響き、ヴァイオリニストからも良い反応を伺うことができました。
後半の音像制御システム(AFC Image)の体感では、マルチトラックによる再生の他に、音像の定位移動が分かり易いようにサイレントヴァイオリンによる演奏で客席を一周して頂きました。ヴァイオリニストの動きに合わせて、タブレット上のヴァイオリニストのオブジェクトを指でなぞりながら移動させると、ヴァイオリニストを追従するようにヴァイオリニストの位置から演奏が聴こえ、参加者にも仕組みが分かり易い内容となりました。