北陸支部・金沢市アートホール見学会の報告
北陸支部は2024年12月16日(月)に、2021年9月に開館以来初の大改修工事を終えてリニューアルオープンした、金沢市アートホールの見学会を開催しました。
1994年4月の開館から20年が経過した時点で改修計画が立ち上がり、改修工事は2020年12月から開始されたそうです。
舞台音響設備の改修では、メインスピーカーの設置位置の改善が行われていました。プロセニアムアーチに設置されたメインスピーカーは、音像位置が高すぎるため違和感があり、使用出来なかったそうです。今回の改修工事ではスリムなラインアレイスピーカーが舞台横に設置されていました。
舞台照明設備はフルLED化されており、ハロゲンライトより熱による演奏者・楽器への負担が軽減され、演奏者から好評とのことでした。
北陸支部・舞台スキル講座(音響入門編)「舞台音響 はじめの1歩」
2024年8月28日(水)、29日(木)北陸支部は公益財団法人高岡市⺠文化振興事業団との共同企画として、舞台スキル講座(音響入門編)「舞台音響 はじめの1歩」を開催しました。
講師:三好直樹( 音響工房 風【UTA】)
協力:高岡クロスオーバープロジェクト、ベステックオーディオ株式会社、株式会社ヤマハミュージックジャパン、ヤマハサウンドシステム株式会社
後援:富山県公立文化施設協議会
1日目は音の基本的な考え方とマイクやスビーカーの特性等のレクチャーを行い、2日目はバンド演奏を交えての実習、マイキングのレクチャーを行いました。
北海道支部・遠軽町芸術文化交流プラザ「メトロプラザ」見学会報告
日時:2024年8月23日
主催:北海道支部
北海道支部は、2022年10月にオープンした遠軽町芸術文化交流プラザ「メトロプラザ」の見学会を2024年8月23日に行いました。
遠軽町としては初めてとなるホールで、地元では吹奏楽の強豪校、遠軽高校の発表の場としてもなるよう吹奏楽に最適になる音響設計がなされたそうです。そのためか客席は606席ではありますが舞台は音響反射板設置時でも間口は10間、奥行き5間半と広めとなっています。また、客席の横壁の後方部はスリット状になっていてその奥にカーテンが設置されており、その開閉により残響可変ができるようになっています。
また、吹奏楽で使う打楽器関係が備品としてあり、ドラムセットだけではなく、ティンパニ、マリンバ、ビブラフォン、チャイムまであります。吹奏楽の練習の際にこれら打楽器関係は運搬せずに使用でき、地域の要望に即したものとなっています。
ピアノはヤマハCFX。この地域は木材の産地であり、その一部はヤマハピアノ用として利用されていて、いわばこのピアノは里帰りしたようなものです。
照明は最近のホールらしく全てLED化されています。
一方、車椅子席が客席の左右にありますが、中央にも設置できるようにと、中央通路に面するセンターブロックの1列は客席と共に床も外せるようになっており、通路と同じレベルにすることができて車椅子で入れるようにと一歩進んだバリアフリー設計となっていました。
運営は、商工会議所が施設内に入っていることから、商工会議所が指定管理者となっており、3人のスタッフが配置されています。そのスタッフの一部の方が先般開催したビギナーズコースを受講しており、とても熱心で、今回の見学会でも親切に対応してくださいました。そのスタッフの中には地元吹奏楽部の出身者もおられ、待望のこのホールにとても愛着を持たれているように見受けられました。
・メイン音響卓:Yamaha QL5
・袖サブ卓:Yamaha QL1
・メインスピーカーシステム:Nexo
報告:坪田栄蔵
▲残響コントロールの幕
実施報告
大阪に里帰りした8の字巻きグランプリ2024 OSAKAは、成功裏に終えることができました。
前回よりも協賛社が多く、展示会の入場者も増えました。
本部から3名のスタッフが派遣され、西日本支部主管チームの頑張りにより無事に終了しました。
優勝は予選から立ち上がった高木駿太郎さんで、賞金10万円が贈呈されました。高木さんは審査員による“巻きの美しさ"が評価され、僅差で優勝しました。
準優勝は東日本支部選抜の東孝征さんで、賞品「ICレコーダ」が贈られました。
また、競技参加者全員には静岡銘菓「8の字」クッキーとテレビ大阪からのお土産が配られ、決勝大会出場者には日本音響家協会監修「プロ音響データブック」が株式会社リットーミュージックから贈呈されました。
《協賛社》
株式会社エヌ エス イー
オタリテック株式会社
ザ・ゴールドエンジン
ゼンハイザージャパン株式会社
ディーアンドビー・オーディオテクニックジャパン株式会社
株式会社デュープレックス
株式会社テレ・ポーズ
ネットワーク株式会社
株式会社パシフィックアートセンター
ヒビノ株式会社
ベステックオーディオ株式会社
ヤマハサウンドシステム株式会社
《特別協賛》
モガミ電線株式会社
カナレ電気株式会社
株式会社ヤマハミュージックジャパン
ジャトー株式会社
特別協力:関西放送機器展実行委員会
協 力:株式会社リットーミュージック
ヒビノスペーステック株式会社
株式会社エヌエスイー
主 管:一般社団法人日本音響家協会西日本支部
主 催:8の字巻きグランプリ実行委員会
一般社団法人日本音響家協会本部&西日本支部にて構成
MC:伊舞まゆみ
解説:奥山 竜太
▲予選会開始前
▲決勝大会の開始前
▲決勝大会開始 MCの伊舞まゆみさん(右)と解説の奥山竜太さん
▲最終決勝戦
▲優勝の高木駿太郎さん(右)と準優勝の東孝征さん
ライブ・エンターテイメントEXPOの技術セミナー
7月4日[東京ビッグサイト]ライブ・エンターテイメントEXPOの技術セミナーを共催し、日本音響家協会は奈良 暁と新谷美樹夫を派遣。
イマーシブ オーディオ ワークショップ
5月8日[金沢21世紀美術館・シアター21]北陸支部は総会を開催し、総会後にイマーシブ オーディオ ワークショップを株式会社ヤマハミュージックジャパンとヤマハサウンドシステム株式会社の協力で実施した。講師は兼子 紳一郎 (ヤマハサウンドシステム株式会社)と石橋 健児 (株式会社ヤマハミュージックジャパン)、演奏はジドレ(ヴァイオリニスト)
■実施報告
今回のワークショップではイマーシブな(没入感のある)音響空間を創るシステムを体感する内容となりました。
システムにはヤマハのAFCが用いられ、会場のステージ上部、客席天井、客席周囲にスピーカやマイクが多く設置されました。
前半の音場支援システム(AFC Enhance)の体感では、比較的残響時間が短い今回の会場ですが、システムをONにすることで、ヴァイオリンの音が違和感なくコンサートホールの様に響き、ヴァイオリニストからも良い反応を伺うことができました。
後半の音像制御システム(AFC Image)の体感では、マルチトラックによる再生の他に、音像の定位移動が分かり易いようにサイレントヴァイオリンによる演奏で客席を一周して頂きました。ヴァイオリニストの動きに合わせて、タブレット上のヴァイオリニストのオブジェクトを指でなぞりながら移動させると、ヴァイオリニストを追従するようにヴァイオリニストの位置から演奏が聴こえ、参加者にも仕組みが分かり易い内容となりました。
4月25日[さいたま芸術劇場中練習室]東日本支部が総会を開催。セミナー「異なる音楽記録媒体による音源試聴会」を併催、講師は日本レコーディングエンジニア協会理事の小林悟。
「異なる音楽記録媒体による音源試聴会」に参加して
4月25日の東日本支部定時社員総会の後に、同じ会場(さいたま芸術劇場中練習室)にて行われた、異なる音楽記録媒体による音源試聴会に参加しました。
講師は特定非営利活動法人 日本レコーディングエンジニア協会理事の小林悟氏で、学生時代よりレコード会社の録音に携わってこられたベテランのエンジニアでした。
講師が持ってこられた古いSP盤やEdison印の蝋管(のケース)、Victor製の蓄音機など珍しいものばかりで、参加者は講師が準備をしているのに関わらず、早くも質問攻め&撮影会という状況でした。
同じ録音で商品化されているCDとレコードの聞き比べや、片面5分しか録音できなかったSP盤などの試聴も良かったのですが、個人的には電気的な増幅をしていない蓄音機の音の大きさと、レコード会社のサンプルと思われるメタルカセットテープの音質の良さに驚きました。
特にメタルカセットテープの音質に関してはアナログ録音でも十分に現在でも通用するのでは?と参加者からの声がありました。
講師のレコーディングに関する機材の知識や経験、歴史の説明も非常に分かりやすく、具体的な作品の裏話なども楽しかったです。
今回は96KHz録音の音源が機材トラブルで聞くことが出来なかったのも踏まえ、改めてこのイベントをもう一度開催したいと感じました。
報告:網野岳俊
社員総会併催事業2024年日本音響家協会賞贈賞式と記念講演
2024年5月27日 15時50分開始
受賞者:ヤマハデジタルミキサー・プロジェクトチーム
[チームリーダー:岡林 昌明/今井 新]
▲贈賞式 左から今井氏、岡林氏、協会会長
■交流会
17時からは懇親会で、国立能楽堂近くの上海料理「香香苑(シャンシャンエン)」を貸し切りで実施しました。リアルな対面交流を満喫、楽しい会話で賑やかでした。